Update:2001. 1.29


 平成12年度 調査研究部



|実践のねらい |実践内容 |成果 |課題 |


1 実践のねらい

 本校では,前年度までの成果及び課題から,生徒に「生きる力」,すなわち「自ら学び,自ら考え,主体的に解決する力」,「学んだものをよりよく表現しようとする力」,「他人を思いやる心や感動する心など豊かな人間性をかねそなえた総合的な力」を育みたいと考えた。そのため,マルチメディアを活用した教育活動を通して,「情報を収集・判断する能力」「表現・発信する能力」「コミュニケーション能力」を育成しようと取り組んでいる。
 調査研究部では,これらの能力や生徒の意識の変容を捉えるべく,次の点について留意して研究を行っている。

  • 情報収集の授業を通して,目的にあった画像資料やデータを主体的に収集・分析し,工夫しながら活用することができる能力を育成する。
  • 情報交流の授業を通して,自分の考えや意見を適切に相手に伝えるとともに,相手の立場や考えを尊重する人間性を育成する。
  • 他者とのコミュニケーションを通して,自分が追究すべき新たな課題を見出すことのできる能力を育成する。
  • マルチメディア活用の上で,礼儀やマナーを大切にし,実践する態度を育成する。
  • マルチメディアを活用した授業を計画的・継続的に実践することで,どのように学習効果が上がり,成長していくのかを生徒の変容をとらえながら検証していく。

 これらの検証のために,アンケート方式による変容調査【調査1】と,パソコン使用時に記入するカードを通しての使用目的調査【調査2】を行った。

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2 実践内容

【調査1】
 生徒のマルチメディアに関する活動・技能・関心面の調査を以下の通り実施し,変容を調査した。

実   践   内   容
 4月 アンケート調査項目の検討と基本調査
 5月 第1回変容調査の実施・調査結果についての考察
 6月 第1回変容調査結果収録の作成
 7月 第2回変容調査の実施・調査結果についての考察
 8月 第2回変容調査結果収録の作成
 9月 研究のまとめ


【調査2】
 全校生徒に対しパソコン利用カードを発行し,1学期中,休み時間や放課後など,自由にパソコンを利用する際の使用目的を調査した。

|変容調査アンケート項目|

 また、上記の活動の他に教師から見た生徒たちの変容調査も行う予定である。

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3 成果と課題

  • 成果
    •  学年とともに,情報収集能力や情報処理能力が確実に高まっていることがアンケートの結果からわかる。ネットワーク活用が,課題解決の1つの手段として生徒に定着してきたと考える。
    •  テレビ会議システムやメールによる交流では,相手を明確に捉えられるようになるとともに,自己を見つめ直すことができるようになっている。これは,自分を効果的に表現しようとする意欲の喚起につながっている。
    •  マルチメディアを活用して交流を重ねることにより,各種機器を使用することに無理な力を加えることなく,ごく自然な形で取り扱えるようになっている。そのため,交流そのものに集中するようになり,自分自身の表現能力をより一層高めようとする意識が育成されつつある。
    •  授業外においては,生徒一人一人がインターネットの諸機能の特徴をよく理解し,より有効な使い方を自ら見出し,身に付けようとする態度が育っている。

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  • 課題
    •  マルチメディア活用を,単に授業におけるツールとしてとらえるのではなく,学校を取り巻く大きな環境の1つととらえることが大切であり,それが生徒の「生きる力」を育むことにつながると考える。そのためにも,より一層,教育課程や情報教育全体計画の見直しを図り,生徒が無理なく活用できる指導体制の工夫と,環境づくりに努める必要がある。
    •  マルチメディア活用をより意図的に行うために,さらに教育課程との関連づけを明確にしていく必要がある。
    •  マルチメディア活用は「総合的な学習の時間」において,これまで以上の意味を持つようになると思われる。収集,考察,発信のあらゆる段階での活用について,より一層の研究実践が望まれる。
    •  視覚的に優れたホームページ作製など,生徒の要求する技術に対応できる指導力を一層向上させるとともに,より効果的な学習にするために学習形態を工夫する必要がある。
    •  本校は山間部に位置しているため,これまでの生徒の人間関係は極めて限定的なものだった。しかし,長期にわたって継続的に,様々な世代・職業の方々と交流を図ってきた結果,一人一人の生徒が,閉ざされた価値観から次第に脱却し,よい意味での個性を発揮しはじめている。今後も「生きる力」をより一層育むため,テレビ会議システムや電子メールを活用していきたい。
       しかしながら,多様な価値観が身に付くことによって,本校の生徒の特色である勤労意欲や規範意識が,うすれつつある面も見られるようになってきた。今後は交流の中に,自己のよい点を再認識させる意図的な場面を設定するとともに,これからの社会に不可欠な,ネットワーク上のエチケット(ネチケット)を確実に身につけさせる必要がある。

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Written by Hiroshi.SHIGA
Edited by Junichi OHTANI
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