Update:1999. 3.17


 平成10年度 調査研究部



|はじめに |実践事項 |実践内容 |成果と課題 |

1 はじめに

 我々教師が指導方法の工夫と改善を日々行っていく上で、生徒たちの意識の変容を把握することはとても大切なことである。いや、生徒たちの意欲の変容を把握することなしに、授業の工夫・改善はあり得ない。
 そこで、調査研究部では、毎月の研究授業前と研究授業実践直後に、
  • 今現在の生徒のコンピュータリテラシーはどの程度なのか。
  • 今現在の生徒の授業に対する意識の変容はどうか。
  • 今後どのような技術を学習したいのか。
  • 自分自身の表現力を生徒たちはどう評価(自己評価)しているのか。
  • 今後どの教科・単元で、どのような方法でインターネットを活用したいのか。
 などの質問を盛り込んだアンケートを実施することで、今後の研究実践に役立つであろう「生徒たちの現在の姿」「生徒たちの生の声」を収集・集計・検討し、変容調査収録を作成している。
 この収録を参考にしながら、今生徒たちは何を望んでいるのか考えながら、日々の授業を見つめ直し、自己研鑽していきたいものである。

2 実践事項

 前年度の成果及び課題から次の点について留意し、研究授業等の視点を決め、取り組んできた。
  • インターネットを活用した授業を通して、生徒の学習意欲の喚起や活動の主体性を育成する。
  • 情報収集や情報交流に視点をあてた授業を通して、知り得た情報をもとに自分の考えを組み立て、自分の言葉で表現できる力を育成する。
  • 交流をテーマとした授業を通して、積極的に他者へ発表できる力を育成する。
  • インターネット活用上の礼儀やマナーを大切にする態度を育成する。
  • 各教科ごとの計画の中でインターネットの活用を繰り返し実践することで、どのように学習効果が上がってきているかを生徒の変容をとらえながら検証していく。
 調査研究部ではこれらの視点を生かしながら、生徒の変容を関心・技能・表現の各面でとらえ、授業での活用を考えてきた。
 そのための実践内容として、アンケートを実施し、実態・変容調査を行った。

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3 実践内容

 生徒たちのコンピュータに対する関心・技能・表現の調査を以下の通り実施し、変容を調査し、その結果の蓄積を行ってきた。

活動内容
 4月 第1回実態調査・調査内容の検討・結果収録の作成
 5月 第1回変容調査・調査内容の検討・結果収録の作成
 6月 第2回変容調査・調査内容の検討・結果収録の作成
 7月 第3回変容調査・調査内容の検討・結果収録の作成
 8月 調査研究部会
 9月 第4回変容調査・調査内容の検討・結果収録の作成
10月 第5回変容調査・調査内容の検討・結果収録の作成
11月 第6回変容調査・調査内容の検討・結果収録の作成
12月 調査研究部会
 1月 研究のまとめと反省
 2月 次年度の計画の検討
 3月 調査研究部会

|変容調査アンケート項目|

 また、上記の活動の他に教師から見た生徒たちの変容調査も行っている。

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4 成果と課題

 変容調査のグラフによって見える生徒の姿がある。
 調査研究部ではこの調査を通して、果たして生徒たちの表現や授業に対する意欲にしっかり応えてきたのだろうかと考えることがある。
(1) インターネットを授業の中で効果的に活用していたのか。
 昨年度の調査結果で、ある一定の変容を見せるとそれ以上の変容を見せない「変容の停滞」が全学年で見られた。これはどの教科も同じような活用の仕方をしていたために、生徒たちは活用方法にマンネリ感を感じていたのではないかと考える。
 つまり、今はもうインターネットを単元の導入部分に活用する時期ではなく、単元の展開部分や発展学習でどう活用するかという段階なのではないだろうか。
 そこで、今年度、インターネットとともにテレビ会議システムを授業に導入し始めた。テレビモニタを通しながら、授業相手と交流授業を実践してきた3年生では特に表現に対する興味・関心、そして表現力が非常に高くなってきていることが、変容調査の結果からも見て取れる。
 このことから、インターネットやテレビ会議システムを使った授業場面の工夫が今、必要とされているのではないだろうか。
 
(2) 生徒の表現意欲に応えていたのか。
 変容調査の中に「インターネットで教えてもらいたいことは何ですか?」という項目がある。
 昨年度、この項目で一番多かった回答が「ホームページ作成の方法」であった。しかも、すべての調査において全学年がそう回答していた。これは「ホームページを作ることで、自分の考えや意見を表現したい」という表現意欲の表れであると我々教師は感じていたにも関わらず、時間的・技術的な理由により教師側の支援がなかなか行き届かなかった。
 そこで今年度、まず2年生から授業の中でホームページ作成に取り組み、全員が簡単なホームページを作成できるようになった。そして、この授業を機に、生徒たちはインターネットに対する意欲ばかりでなく、表現に対する意欲をさらに高めることができたのである。
 その例として、生徒たちは、自分たちの班がまとめたものを自主的にホームページ化してみたり、授業中の発表では、フラッシュカードや資料集、模造紙などをわかりやすく、かつ有効に使用していた。これは、昨年度まではあまり見ることのできなかった生徒たちの「わかりやすく表現するための工夫」であるといえる。
 また、表現を通して、情報を再構築することが、生徒理解に密接に関係することもわかった。
 インターネットは情報発信情報交流に優れた特性を発揮するため、表現力育成には絶大なる高価があることがわかった。
 しかし、忘れてならない機能に情報の蓄積がある。自分たちの学習した内容や教材をホームページや電子メールという形で保存し、いつでも学習を振り返りたいときに活用でき、また他学年や他校の授業でも活用することができる。
 このようなインターネットの機能を効果的に活用しながら、今年度積極的に導入してきたテレビ会議システムを併用すれば、さらに驚きと喜びに充ちた授業を体験することができ、授業内容も深まりを見せるのではないかと考える。
 インターネットの持つ情報発信機能や情報蓄積機能、そしてテレビ会議システムが可能にしたダイレクトな体験授業の機能を効果的に組み合わせていくことで生徒たちの表現意欲、情報判断力、そして自己表現力が、今後さらに高まり、自己成長が遂げられるのではないだろうかと考える。
 また、我々は生徒たちの「自分を表現したい」「いろいろなことを学んでいきたい」という意欲を大切にし、そのために1つの手段として、このインターネットを活用することで得られる教育効果を研究するとともに、生徒たちが更に「学ぶ楽しさ」や「表現することの素晴らしさ」を味わえるよう、日々精進していく必要がある。
 そのためには、この恵まれたネットワーク環境を効果的に生かしながら、生徒たちと共に学んでいく姿勢が、我々教師には必要である。

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Copyright 1999 katsurao-jhs
Written by Hiroshi.SHIGA

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