*この文章は「平成12年度 福島県中学校教育 研究会双葉支部音楽部会 第1次研究協議会」において配付した物を転載しました

「音楽教師とパーソナルコンピュータ」

葛尾村立葛尾中学校 大谷淳一

 現在コンピュータが各学校に設置され、イ ンターネットにも接続される環境が整いつつあります。そこで私が普段コンピュータ をどのように使っているかをお話し、音楽の授業や部活動などでどう活用できるか考 えていく手助けになればと思います。


コンピュー タと音楽のつながり

 今から15年ほど前「MIDI:Musical Intstulment Degital Interface」という規格ができました。つまり機械の中に「何の音色でどの音 をどれくらいの強さ・長さで鳴らすか」を記憶し、それを再生するのです。これはワー プロソフトなどで作った書類と同じく扱うことができます。MIDIファイルやMIDIデー タと呼ばれます。
 とうぜんオーケストラを雇うより安く、早くできますので さまざまなジャンルの音楽で利用されています。また音色や強弱、テンポの変更など もあっという間です。
 では実際、どのような機械や物が必要になり、どれく らいの出費が必要でしょう。「楽譜を書く」事を中心にまとめてみました


○パソコン本体

Macintoshなど  10〜30万円

 本体はMacでもウインドウズでも価格、性能は大きな違いはありません。ノート型は割高です。
  本体よりモニタと呼ばれる画面にはこだわりましょう。できるだけ大きな画面は確保 したいです。楽譜を書く際に効率がかなりちがいます。17インチならA4が全部表示できます のでかなり楽に楽譜が作れます。
 MIDIデータを扱う場合、最新の物は必 要ありません。型落ちや中古でも何とかなります。学校にあるものでも使える場合が あります。

○ソフトウエア 3〜6万円

・譜面清書ソフト:Finale Overtureなど

 楽譜を書く専用のソフトです。フルスコアからパート譜を瞬時に作ったり、移調 楽器を変更したり、手書きで見づらい楽譜を直したり、試験問題を作ったり、これが 中心になると思います。
 また、これらのソフトは音を鳴らすこともできますの で、ブラスバンドやアンサンブルを編曲してそのシュミレーションや練習の際の手助 け(必要なパートだけを取り出す)として使えます。
 音を鳴らすだけの専用の ソフトもあります。

○あると便利な周辺機器他

・MIDI音源 5万円前後

 コンピュータから信号を送り、内蔵された音を鳴らすお弁当箱くらいの機械で す。パソコン本体でも音は出ますが、あまりいい音ではないのでこれが一つあるとい いです。鍵盤との一体型ならなお便利でしょう。メーカーは「いかに原音に近いか」 を争っていますので、かなりいい音です。もちろんあくまで代用ですので安くても構 いません。

・イメージスキャナ 1〜5万円

 本来画像(写真など)を取り込む装置ですが、カワイ楽器から「スコアメー カー」というソフトが発売されており、これを使用すると「印刷された楽譜を瞬時に MIDIデータに直す」事ができま す。楽譜をみていちいちコンピュータに「打ち込む」よりあっというまです。

・インターネット

 前述のMIDIデータはイン ターネット上に山のように転がっています。たとえば「この曲タイトルはよく聞くけ どどんな曲だっけ」といった時や「一曲だけ聞きたいけどCDを買うのは、またはC Dがない」といった時に使えますし、「授業でメロディだけ使いたいけど楽譜がない、 または高い」といった時も先程のソフトを使えば何とか代用にはなります。


まとめ

 コンピュータその物は私たちの生活に浸透してきていますが、まだまだわかりづ らいことは事実です。できる、できないの問題は機械より使う人間の側に原因がある のは、他の機械と同じです。さらに音楽教育での利用となると理解しなければならな いこともまだまだ多く、敷居が高いものです。しかし可能性は高いと思います。

 私事ですが、今年度の吹奏楽部の大会での自由曲はインターネットで探し、生徒に も本物の楽譜が届く前にある程度練習させることができました。編曲をしなければな らない、ちがう楽器に直さなければならない、そういったときに大きな力になってい ます。また早いフレーズをゆっくり再生したり、パートやセクションだけ取り出して 聞いたり応用もできます。もちろん本物のCDや楽譜が必要なのはいうまでもありま せん。

 「機械に本物の音楽が演奏できるか」といった視点の議論は当然必要ですが、現 在ポピュラーソングなどで使われているオーケストラやブラスのような音の90%は これらの機器が使われています。さすがにソロの楽器はばれてしまいますが、それ以 外はわからないものも多いです。データを上手に作れば下手な演奏家よりまともで、 しかも文句も言わず何百回でも演奏します。

 否定することと知っていることは違うことと感じます。本物の音楽を理解するた め、理解させるため必要な知識になるのでは、と感じます。


大谷淳一@葛尾村立葛尾中学校

葛尾中ホームページ:http://www.jhs.org

電子メール:jun1@katsurao.ne.jp


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