第3の場面

「大人になれなかった弟たちに」 米倉斉加年


【本 文】

 あまり空襲がひどくなってきたので、母は疎開しようと言いだしました。それである日、祖母と四 歳の妹に留守番を頼んで、母が弟をおんぶして僕と三人で、しんせきのいる田舎へ出かけました。と ころが、しんせきの人ははるばる出かけてきた母と弟と僕を見るなり、うちに食べ物はないと言いま した。僕たちは食べ物をもらいに行ったのではなかったのです。引っ越しの相談に行ったのに。母は それを聞くなり、僕に帰ろうと言って、くるりと後ろを向いて帰りました。  そのときの顔を、僕は今でも忘れません。強い顔でした。でも悲しい悲しい顔でした。僕はあんな に美しい顔を見たことはありません。僕たち子供を必死で守ってくれる母の顔は美しいです。僕はあ のときのことを思うと、いつも胸がいっぱいになります


【生徒のイメージ画】



【感 想】

・ 親戚に見放さた疎開。母親が自分が守るんだという決意が伝わってきます。 ・ くるりと後ろを向いた母の顔が印象的でした。 ・ あまりにも母がかわいそうでした。悔しいのもわかりました。 ・ 誤解されて帰る母の気持ちは悔しく悲しいものだった。自分は何も悪いことはしていないのに。 ・ 子供を必死で守ろうとする母の顔が一番印象に残りました。子供から見た愛情が感じられたから  です。 ・ どうして親戚なのに母や僕を食べ物をもらいにきたと誤解したのか。自分だったらおこって親戚  の人に言ったと思う。


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三本杉 祐輝
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