第2の場面

「大人になれなかった弟たちに」 米倉斉加年


【本 文】

 そのころは食べ物が十分になかったので、母は僕たちに食べさせて、自分はあまり食べませんでし た。でも弟のヒロユキには、母のお乳が食べ物です。母は自分が食べないので、お乳が出なくなりま した。ヒロユキは食べるものがありません。おもゆといっておかゆのもっと薄いのを食べさせたり、 やぎのミルクを遠くまで買いに行って飲ませたりしました。 でも、ときどき配給がありました。ミ ルクが一缶それがヒロユキの大切な大切な食べ物でした。  みんなにはとうていわからないでしょうが、そのころ、甘いものはぜんぜんなかったのです。あめ もチョコレートもアイスクリームもお菓子はなんにもないころなのです。食いしん坊だった僕には、 甘い甘い弟のミルクは、よだれが出るほど飲みたいものでした。  母は、よく言いました。ミルクはヒロユキの御飯だから、ヒロユキはそれしか食べられないのだか らと。   でも、僕はかくれて、ヒロユキの大切なミルクをぬすみ飲みしてしまいました。それも、何回も。  僕にはそれがどんなに悪いことか、よくわかっていたのです。僕は弟がかわいくてかわいくてしか たがなかったのすが、それなのに飲んでしまいました


【生徒のイメージ画】



【感 想】

・ 先生に見せてもらった資料の中に防空壕に入っている家族の写真がありましたその写真は笑顔な  のが不思議でした。本当は大変だったのに。  ・ 当時は食べ物がとても少なくかわいそうでした。 ・ 配給でしかミルクが飲めないなんてあまりにもかわいそうです。僕も主人公のようにミルクを盗  み飲みして後悔したと思います。 ・ 配給といってもおいしくないものをしかも少ししかもらえないなんてかわいそうだ。僕なら一日  ももたないと思う。また、大人になれなかった弟たちには多くのヒロユキがいたことがわかった。 ・ 飲んではいけないとわかっていながら飲んでしまったのだから甘いものがなくて本当につらかっ  たのだろう。


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三本杉 祐輝
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